ぶろぐ・とふん

扉野良人(とびらのらびと)のブログ

「宇野亜喜良のスティル」展

メリーゴーランド京都で

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宇野亜喜良のスティル
11月14日(土)〜25日(水)
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がはじまりました。


本日
⚪️15:00〜15:50 サイン会・ギャラリーにて
(作品または書籍をお買い上げの方に限ります。
 当日11:00より整理券を配布いたします。50名様)
⚪️17:00〜18:00 宇野亜喜良トーク
 会場・徳正寺本堂 16:30開場
 前払2500円 当日3000円
 トーク後にサイン会あり。
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 「宇野亜喜良のスティル」について、展覧会に寄せて一文を書いたので、次に転載します。


宇野亜喜良のスティル
-流行と情感の形而上学-


¶ 1966年、“宇野亜喜良についての小辞典”と題した宇野自身の覚書に、次のようなパラグラフがある。


現実感覚と空想地帯。典雅な倦怠感と、飾りたてることへの狂気が、今、イラストレーションに関してぼくが考えているテーマだ。たとえば、ぼくの職種の一つであるイラストレーターについては、飾画家という古風ないい方のほうが、むしろ、ぴったりした気分を持っている。

「*宇野亜喜良についての小辞典 21本の赤い薔薇が机の上にある日の覚書 」
寺山修司『For Ladies 7 さよならの城』(新書館, 1966年初版)所収

¶ 1966年の宇野亜喜良は、イラストレーターを「ぼくの職種の一つ」と言い、さらに「飾画家」という古風な呼称がむしろふさわしいと、いくつものパラフレーズを敷きながら、はてさて、では宇野亜喜良の本当の職種は何だろうかという烟に巻くような文体で、気がつくと当の宇野亜喜良は彼方に立ち消えて、いまここという「現実感覚」と、イラストレーションの語源としてのlumière(光)の明滅する「空想地帯」にわれわれは立たされている。

宇野亜喜良の位相は、自身も言うように「シチュエーションの中に於ける精神の心意気であり、いなせなエスプリ」のなかで変奏する。それは宇野が好んで用いるメタモルフォーゼとしての彼の姿であり、彼のイラストレーションはその変奏の投影でもあった。

¶ しかれば、こう訊ねたい。
宇野亜喜良
Qui êtes-vous ?

14 Novembre, 2015
R.T.