ぶろぐ・とふん

扉野良人(とびらのらびと)のブログ

《via wwalnuts》

 via wwalnuts展が京都で開催されます(10月28日〜11月9日/☞メリーゴーランドKYOTO ギャラリー)。

 via wwalnuts は詩人、平出隆さんが主宰のプライベート・プレス(とわたしは考えるのですが)であり、これまでに刊行されたvia wwalnuts叢書〈既刊8冊〉はart-ZINEの領野でとらえられる一方、既存の出版界の在りようを問い直す書物の実験とも見えます。

 ここに via wwalnuts 叢書の一冊を紹介すると、それはポストに届いた一通の郵便物として封を截るところから始まります。



 受け取ったもののとまどいは、封を截った瞬間に現れる紙片を一通と数えれば良いか、それとも一冊なのかと、郵便受けの傍らでおどろき考え込んでしまっているその情景を、じつは送り手が封を綴じ、そして投函するときや、すでに想定していたという、その経緯を推理して遡れる形でのいたずらが、この「書簡-文書(letter-book)」には秘められているのです。
 危険文書であり恋愛書簡たる由縁は封を截る瞬間にあるのでしょう。
 「ブックレターというまったく新しい方法と形態で」と評されるけれど、それは「book」と「letter」とが合わさっているのではなく、〈letter☞手紙-信書-文字〉〈book☞本-書物-文書-文章〉という、それぞれ根源の「形態と方法」が、封を截る読者(ここではまだ読者ではなく受信者)の手許で光速度に交錯しているようなイメージが浮かびます。

乾坤一擲
ふった骰子にだがふりかえされて

平出隆「花嫁」v

 via wwalnuts叢書の試みに、平出さんの初期詩篇「花嫁」の一節が口を突いて出ました。


 via wwalnuts 展──via wwalnuts、“胡桃〈くるみ〉経由”と訳すものでしょうか──では、ギャラリーの空間をその「経由」地として設定します。展示に与えられた「エクリチュールとしての造本」というテーマが、まだなにも飾られていない部屋、ギャラリー(回廊)をどのように彩ることか。


 さぁ乾坤一擲(けんこんいってき)!!!


via wwalnuts 展 エクリチュールとしての造本 

@メリーゴーランドKYOTO ギャラリー

〒600-8018 京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 寿ビル5F
tel・fax. 075-352-5408 mail mgr-kyoto@globe.ocn.ne.jp

期間:10月28日(金)−11月9日(水)

 平出 隆 氏 レクチャー
「詩と造本のこれまで」 聞き手-扉野良人
10月28日(金) 17:30 開場 18:00〜20:00

於 – 徳正寺本堂 京都市下京区富小路通り四条下る

参加費 – 前払い2,500 円 当日払い 3,000 円 定員50 名

申し込みお問い合わせ – メリーゴーランドKYOTO まで

¶ お電話、メールでお申し込みの後、店頭へおこしになられるか

郵便振込00830-6-134662 へ当日までにお支払いください。
 
  
http://www.wwalnuts.jp/vww/
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