ぶろぐ・とふん

扉野良人(とびらのらびと)のブログ

☆-一千十秒倶楽部@La Akka タルホ的イタリア・オードブルと酔星バール

さあみなさん どうぞこちらへ! いろんなオードブルが
取り揃へてあります どれからなりとご賞味ください。

タルホ的イタリア・オードブルと酔星バール

一千十秒倶楽部 _ club 1010 sec.

一千十秒倶楽部 始まりの集まり


1001秒から1010秒へ



 星生れて誰が九秒の夏夜ぞかし


 金星という遊星の名を冠した書店から、イナガキタルホ“一千一秒物語(金星堂,1923.1.25 )が生まれたことは、なにを暗示していたものか。
 2010年5月21日、地球から打ち上げられた宇宙ヨットIKAROS-イカロス-は、1辺が14m四方からなる超薄膜-厚さ0.0075mm-の帆を張って、陽光のエネルギーを受けながら、金星へのフライバイ-接近通過_金星から80,800kmの地点-を成功させた。
 イカロスと言えば、タルホに“Ικαρος(イカルス)”(中村宏と共著,限定13部,呪物研究所,1973.9.1)というブロンズのオブジェ本がある。太陽の灼熱に翼を溶かされたイカロスは「現象界の迷宮から脱出を試みる知性」アト・ド・フリース『イメージ・シンボル事典』)の謂でもあった。タルホのイカルスは、地上でもっとも重い(高密度の)書物を志向した。
 1993年に刊行された“TARUHO FUTURICA”は、本体が“一千一秒物語”収録のフロッピー・ディスクという、電子書籍の先駆けであった。その版元の名はボイジャー・ジャパンといって、NASAによる惑星探査衛星Voyager-航海者-号を彷彿とする。ボイジャー1号は「2011年8月現在で太陽から約177億km(約118AU)離れたところを太陽との相対速度・秒速約17.06kmで飛行中」wikipediaとのことだ。
 さて、さる2012年6月6日、六月の真昼の都会の空に金星の太陽面通過が観測された。その通過に要した地球時間は6時間余。先の金環日食で月が太陽面を通過した時間は3時間弱だったことに比して、太陽と金星及び月、地球との相対的な距離及び時間が実感できた。ちなみに金星は秒速約35kmで動き、日面通過の移動距離は約94万5000kmに達するものだ。
 1001秒から1010秒に到る9秒の壁は、人間が100mを疾駆する最大限の努力。


 そも「一千一秒」とは一千一秒‘間’の物語であるのか、それとも一千一秒‘後’の物語であるのか。
 6月末日の夜、一千十秒倶楽部に集うもの、1001秒から1010秒に到る‘9秒’の現象界の迷宮より脱出を試みたイカロスのごとく、
 或はまた1923年1月25日から2012年6月30日に到る89年と157日の時を、誰が9秒のことぞかしと言わん。


@La Akka

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ノースコート1F

tel: 075-703-2268
http://la-akka.com/underconstruction.html


2012年6月30日(土)
19:00-22:00

タルホ的イタリア・オードブルと酔星バール

大人:4,000円(税込)

席数:24名

申し込み予約:tobiranorabbit☆gmail.com(☆を@に変換)扉野良人まで