鈴木潤『絵本といっしょにまっすぐまっすぐ』(アノニマスタジオ)
ぼくの妻、鈴木潤の『絵本といっしょにまっすぐまっすぐ』(アノニマスタジオ)が出た。
潤の親友の小川奈緒さんがTable Talkのブログに気持ちのこもった紹介、書評を書いてくださった。これを潤の本の最高の紹介と思い、読んでいただきたい。
その中に、
こどもが生まれて以降の内容や文章ががぐんとリアルで面白くなり幸せで、ときにせつなく、愛おしい時間にあふれています。
とあって、そうかそうなのか、「やっぱり男の頭は硬いんだなぁ」と、潤にしか書けない文章にも脱帽したが、奈緒さんの視点にもおそれいってしまった。
ゲラのとき一読して、ぼくは子どもが生まれるまでの、なんでもない日常と絵本とをきりむすぶ鮮やかさが、「なにかを発見した」という潤の顔の輝きとして思い浮かんだのだが、長男が生まれてから、その「発見」が母の子への愛情という普遍性に置きかえられて、その「普遍」は、とても大切なのだが、「愛情」というものに収まりがちなところが不満だった。しかし、奈緒さんの視点は、母の目から届いている。これは、男には持ちようのないもので、おそれいってしまったわけである。