ぶろぐ・とふん

扉野良人(とびらのらびと)のブログ

嵐電の走る情景の上映と鈴木卓爾さんとトーク

 6月15日(土)、映画『嵐電』監督の鈴木卓爾さんと嵐電と京都をめぐるトークをします。

 『嵐電』の中で、喫茶GINGAのロケセットに使われていた、太秦広隆寺駅ホームに面したお店プレマさんにて、「映画『嵐電』ヒット記念イベント」の1日目に呼んでいただきました。

 

● 嵐電の走る情景の上映とトークショー

 6月15日(土)

 開場:17時30分(開演:18時 終了:20時頃)

 出演:鈴木卓爾 - 扉野良人

 入場料(当日券のみ):1000円

 定員:30名

 

 予約・お問い合わせは下記メールまで

 映画チア部京都支部

 moviecheer2018kyoto@gmail.com

 (Twitter @moviecheerkyoto )

 主催:ミグラントバーズ 

 協力:出町座 映画チア部京都支部

 

 

 2日目は、『嵐電』の音楽をされたあがた森魚さんのライブです。

 

● あがた森魚嵐電』LIVE

 6月16日(日)

 開場:17時30分(開演:18時 終了:20時頃)

 入場料(当日券のみ):3000円

 定員:30名

 予約・お問い合わせは上記の映画チア部京都支部まで。

 

 さて、告知を済ませたところで、卓爾さんからこのトークに呼ばれた経緯を説明しましょう。

 昨年1月下旬、三条通を夫婦で歩いている卓爾さんと遭遇しました。わたしは、長男と自転車で家路を急いでいるときでした。

 たしか麸屋町通を北から南に三条通を横切った際、東から西に行くふたりの姿を見とめたにもかかわらず、わたしは止まらず道を下がってしまったので(京都では、南北の道を北行するときは「上る」、南行は「下る」と言う)、引き返すか迷ったものの、先を行く息子を呼びとめて、三条通にふたりを追いかけました。

 卓爾さんはもうすぐクランクインする『嵐電』のことで頭が一杯のようで、今日も町に必要なものを買いにきたとのこと。卓爾さんの妻、田中美穂さんから嵐電をモチーフにした映画を撮るという話は聞いていたので、こうして市中で監督と会うことも映画作りの中に入っていくような気持ちがしました。そのとき、卓爾さんから嵐電を写した古い映像を探していると聞いた。わたしは「嵐電沿線にはお檀家さんもあるので聞いてみましょう」と伝え、長男が「はよ帰ろぉ」とうるさいから、ふたりと別れて道を下りました。

 嵐電沿線の檀家さんは、四条大宮、山ノ内、蚕ノ社帷子ノ辻鹿王院北野線では龍安寺にあります。何軒かの檀家さん、また友人に聞いたのですが、「どっかにあったような気がするなぁ。写真やったらあるけど。」という返事は返ってくるものの、8ミリなどのフィルムとなると、たとえ写っていたとしても、嵐電をメインに撮らないかぎりフィルムの表書きやケースに記したタイトルから探りようもないのでしょう。

 檀家さんの線はあきらめて、わたしは卓爾さんに次のようなメッセージを送りました。

 

洛北高校(北大路下鴨本通)の交差点を西に入った南側にあるバール・カフェジーニョのマスターの父が鉄ちゃん(乗り鉄)で、その父上の切符コレクションから戦前の嵐電切符を見せてもらいました。60代のマスターも京都の鉄道史に詳しいです。サントスコーヒー200円のスタンドバールなので一服にオススメです。」(2018年2月3日)

 

 常連なら「バール」と呼びならわしているカフェジーニョは、檀家参りの途中によく立ち寄るいこいの場です。そう、映画『嵐電』に出てくる喫茶GINGAのような、町のコーヒースタンドであります。マスターがブラジル通なので、BGMはサンバ、ボサノヴァがかかり、メニューにフェジョアーダ、モルタデーラなどと並び、酒はもちろんカイピリーニャ。常連さんが、いつも競馬新聞を広げて紫煙をくゆらせている。

 20年くらい前は、このバールの隣に鉄道モノの古道具屋がありました。一、二度のぞいたことがあった。せまい店に、踏切の設備や信号、琺瑯びきの駅名プレート、行先板、切符、鉄道模型、etc.とものがひしめいていました。やや気難しそうな、黒縁のメガネをかけた年輩の店主がおられたのを覚えています。

 その古道具屋の店主が、卓爾さんのメッセージにも記した、「カフェジーニョのマスターの父」だったのです。

 

 その後、卓爾さんはカフェジーニョのマスターに連絡を取られたようで、父のコレクションに鉄道を撮ったフィルムが遺されていたのが見つかった(連絡から、発見までに少し時間がかかっていたように思う)。

 これらの一部が、『嵐電』のなかで、喫茶GINGAでの上映会にかけられた、むかしの嵐電実景映像になったのでした。

 

 15日は、カフェジーニョのマスターも来てくださるかしらん。マスターも、元祖鉄ちゃんの子だけに、たいへん鉄道史、鉄道路線に詳しい方です。

 ひさしぶりにバールを訪ねて、誘いだしてみようと思います。