ぶろぐ・とふん

扉野良人(とびらのらびと)のブログ

KIRIN

竹中郁と浮田要三

昨晩、ひさびさに浮田要三さんに電話をかけてお話をした。前回の文章で綴った浮田さんが嶋本昭三さんとの対談で朗読した『動物磁気』所収の詩はなにだったか、お尋ねしたのだ。 「いやぁ、ラビトくん。ぼくはそんなん朗読したの覚えてへんよ。そぉ、ぼく朗読…

『動物磁気』

このブログの2回目に「たのしき磔刑」という竹中郁の詩を引いて、なにの解説もないままおいたが、その詩を所収した詩集をある友人が届けてくれた。 竹中郁の詩集『動物磁気』。敬愛する詩人のはずなのに、わたしにとって初めて手許におくことになった彼の詩…

たのしき磔刑

たのしき磔刑[はりつけ] 竹中郁子供の一人と背中あわせで 寝床のなかで寝て思ふのです ── この子は鳩かな ── この子は風琴かな ── この子は鉱脈かな鳩なら 飛べよ 風琴なら 歌へよ 鉱脈なら 光れよせまい寝床も くるしい夜も なんでもなく過せるのです こ…